東北被災地12年の記録映画上映会(我妻和樹監督作品上映会)
「波伝谷サーガ ある営みの記録」2017 堂々開催!!
<開催主旨>
震災から 6 年を迎え、集落の高台移転や商店街の移設など生活の基盤が整い、被災地の復興は進んでいるかのように見えます。しかしそこで人はこれからどのように生きて、暮らしや記憶を繋いでいくのか、本当の意味での復興はようやく始まったばかりといっても過言ではありません。
そのような中で、現地の被災・復興当事者にとって、震災前から続く映像の記録が一体どのような意味を持つのでしょうか。そこに映っている「時代」や「暮らし」や「人間」は、震災という出来事とともに歩んでいくこれからの私たちに一体何を示してくれるのでしょうか。
今回の上映会では、映画監督の我妻和樹が宮城県南三陸町の「波伝谷(はでんや)」に 12 年間関わりながら作った作品群の一部を通して、「土地とともに生きる」あるいは「地域とともに生きる」ということが一体どういうことなのか、その普遍的な問いについて、現地の人びとの生の声を聞きながら考えてみようと思います。
過去・現在・未来へと繋がる東北の一被災地域の一大叙事詩「波伝谷サーガ」の開幕です。
■日程:2017年8月19日(土)
■会場:せんだいメディアテーク7階シアター
■プログラム:
①『波伝谷に生きる人びと』上映+監督舞台挨拶
10:30 ~ 13:05 一般: 1,000 円 高校生以下無料
②『春祈祷~南三陸町波伝谷の行事~』上映+監督の12年間振り返りトーク
14:00 ~ 15:40 一般: 500 円 高校生以下無料
③『願いと揺らぎ』上映+監督と波伝谷の方々とのトーク「被災地の『願いと揺らぎ』を考える」
16:00 ~ 19:30 一般: 1,500 円 高校生以下無料
■チケット:
チケットは当日10:00から会場受付にて全プログラム分を販売します。(前日まで事前予約可)
全プログラムをご覧になる方は3回通し券(2,500円)がお勧めです。
各回とも15分前の開場になります。
■問い合わせ:我妻和樹(あがつま・かずき)
☎070-2037-1552 ✉ peacetree_products@yahoo.co.jp
■主催:ピーストゥリー・プロダクツ
■後援:仙台市
■助成:アーツエイド東北・芸術文化支援事業
■協力:みやぎシネマクラドル、i-くさのねプロジェクト、まちかど公共研究所、吉岡宿にしぴりかの映画祭、3.11オモイデアーカイブ、海辺の図書館、荒浜の再生を願う会、一般社団法人対話工房、Circuit、せんだい3.11メモリアル交流館 ほか
<上映作品>
①『波伝谷に生きる人びと』
ピーストゥリー・プロダクツ製作/我妻和樹監督/2014年/135分
東日本大震災の津波により被災した南三陸の小さな漁村「波伝谷」の、震災までの3年間の日常を追った作品。被災前の美しい風景やそこに溢れていた光、流れていた時間とともに、土地に根差して生きる人びとの日々の営みが描かれる。第36回ぴあフィルムフェスティバル「PFFアワード2014」日本映画ペンクラブ賞受賞作品。
http://hadenyaniikiru.wixsite.com/peacetree
②『春祈祷~南三陸町波伝谷の行事~』
東北学院大学民俗学(政岡)ゼミ製作/我妻和樹編集/2007年/53分
南三陸町の無形民俗文化財に指定され、「お獅子さま」の愛称で親しまれている波伝谷の春祈祷の記録映像。2005年・2006年に撮影した映像をもとに、当時学生だった我妻が解説を加えて初めて編集した作品。はっきり言って素人作品であるが、津波で流される前の家々や人びとの若かりし姿、そして行事の子細が捉えられている。
③『願いと揺らぎ』 (最新作!!)
ピーストゥリー・プロダクツ製作/我妻和樹監督/2017年/145分
震災から1年後、「お獅子さま」を復活させようと立ち上がるも、集落の高台移転や漁業の共同化など様々な課題に直面して全く足並みの揃わない波伝谷の人びと。取り戻したいものは皆同じはずなのに、動けば動くほどすれ違っていくそれぞれの想い。震災6年を迎え、仮設から高台へと移った今、被災地の願いと揺らぎを振り返る渾身の一作。
https://www.facebook.com/negaitoyuragi/
<監督プロフィール>
我妻和樹(あがつま・かずき)
1985年宮城県白石市出身。2004年に東北学院大学文学部史学科に入学。翌2005年3月より、東北歴史博物館と東北学院大学民俗学研究室の共同による宮城県本吉郡南三陸町戸倉地区波伝谷での民俗調査に参加。2008年3月の報告書の完成とともに大学を卒業し、その後個人で波伝谷でのドキュメンタリー映画製作を開始する。
2011年3月11日の東日本大震災時には自身も現地で被災。その後震災までの3年間に撮影した240時間の映像を『波伝谷に生きる人びと』としてまとめ、全国の映画館にて公開。2015年度以降は宮城周辺で活動する映像作家と市民の交流ネットワークであるみやぎシネマクラドルを立ち上げ、現在は震災後の長編2作を編集する傍ら、劇映画にも挑戦している。